OTRSとは?
OTRS(オーティーアールエス)は、生産現場における作業の効率化や業務改善をすすめるソフトウェアです。名前の由来はOperation Time Research Softwareの頭文字からきています。OTRSは、過去20年以上にわたって、自動車、金属、機械、電子機器など日本の製造業を中心に活用されてきました。
(1) OTRSとIE(Industrial Engineering)
OTRSはIE(Industrial Engineering)の手法をベースに設計されています。
IEは人・機械・モノ・情報を活用し、作業のムリ・ムダ・ムラをなくして生産性を向上させ、企業価値を高めるための手法です。19世紀初頭、米国のF・W・テイラーやF・B・ギルブレスによって確立された科学的管理法に始まり、110年以上にわたってIEは世界工業の生産性向上に貢献してきました。
IE手法の基礎になるのは工程分析と稼動分析を時間研究と動作研究の面から分析し、ムダを取り除くことです。
(2) IE手法で企業の改善活動を支援
IE手法に基づいてつくられたOTRSは、改善活動を効率よく、スピーディに実現できるツールです。
生産現場において標準作業時間は作業計画を策定したり、製造原価の見積りや作業の正当な評価などに必要不可欠です。OTRSは作業の映像を分析することで、誰でもムリなくできる作業時間=標準作業時間をカンタンに策定できます。
QCDを高める
OTRSによって策定された標準作業を指標にして作業改善に取り組むことで、QCD(品質・コスト・納期)を高めることができます。
公平な評価
作業ごとの標準作業時間が決まれば、その対比によって公平な作業員の評価が行える。
改善意識を高める
作業時間が標準作業時間として定量化され、作業者やグループの目標が明らかになります。生産性をさらに高めるためにはどこを改善すればよいのかといった意識が芽生え、作業改善の動機付けが高まります。